スーパーの干物売り場に足を運ぶと、ウルメイワシの干物を目にすることができます。
ウルメイワシは世界中の温暖な海で取れるため、ほぼ一年中見ることができる魚ですが、近年、漁獲量が減少し、値段も高騰傾向にあるというニュースも聞きます。
ここではウルメイワシの生態や旬の時期、特徴についてご紹介したいと思います。
目次
ウルメイワシの生態と特徴
ウルメイワシはニシン目・ニシン科に分類され、春から夏にかけての温暖な季節には北上し、秋から冬の寒冷な時期には南下する回遊魚です。
世界中の温暖な海に生息しており、特に暖流の浅い海でよく見られます。
日本でも夏には北海道、秋から冬にかけては本州南岸など、全国各地の沿岸で収穫することができます。
ウルメイワシはマイワシ・カタクチイワシとならんで有名なイワシの一種ですが、カタクチイワシは他の2種類のイワシに比べて体が一番大きく、成長すると30~40センチほどになります。
体は前後に細長く、背中は藍色、腹は白で、目立った模様などはありません。
大きな目が特徴で、漢字では「潤目鰯」と書き、目が潤んだように見えることから「ウルメイワシ」と呼ばれるようになったとも言われています。
他のイワシに比べて脂肪分が少なく、鮮魚で出回ることはほとんどありません。
イワシの水揚げ地域では刺身で食べられることもあるようですが、ウルメイワシはイワシの中でも特に傷みが早いと言われているので、内陸部には干物に加工されて出荷されることがほとんどです。
イワシにはカルシウムやDHA、ビタミンDが豊富に含まれていますが、干物で丸ごと食べることで、その栄養効果は最大限に引き出されるといえるでしょう。
ウルメイワシの生息場所
ウルメイワシの生息場所は、オーストラリアやアフリカ東海岸、カリフォルニアやハワイなど、世界中に広く分布していますが、温暖で浅い海でよく見ることができます。
日本では本州の南側、特に高知や和歌山など四国・近畿地方の太平洋側に生息しています。
ウルメイワシの旬の時期・季節はいつ
ウルメイワシは一年を通して収穫することができるので、旬が分かりにく魚といえます。
特にスーパーなどで見かけるのはほとんどが干物なので、余計に旬を感じにくいのではないでしょうか。
そんなウルメイワシですが、寒い時期、とくに10月~2月にかけては脂がのっているため、特に美味しさを実感できる時期であるといえます。
また、それ以外の時期は脂がのってはいませんが、その分、干物にするにはちょうどいい時期ですので、加工次第では一年中食べられる魚です。
そういう意味ではウルメイワシは一年中が旬の魚といえるのではないでしょうか。
ウルメイワシの販売価格・値段の相場は?
イワシの中でもマイワシは鮮魚で出回ることが多い魚ですが、ウルメイワシが鮮魚で出回ることは少なく、丸干しや一夜干しなどの干物で販売されることが多いです。
100グラムあたりの値段は、干物の場合200円~500円前後と開きがあり、その年の漁獲量によって左右されるようです。
近年では漁獲量が減ってきており、そのため価格も高騰傾向にあるようです。
また、スーパーなどではほとんど見かけませんが、鮮魚の場合には1キロ当たり1000~2000円(10~15匹)で販売されているものもあります。
以前に比べると価格は上昇してきているようですが、他の魚と比べると比較的安い価格で購入できる魚だといえます。
ウルメイワシのまとめ
- ・潤んだような目が特徴のウルメイワシは、春から夏には北上し、秋から冬には南下する回遊魚で、世界中の温暖で浅い海に生息している。
- ・ウルメイワシの旬は、脂の乗った秋から冬にかけてだが、干物に加工することで一年中味わうことができる
- ・ウルメイワシは干物で流通されることが多い
近くのスーパーに行けば、いつでも安く購入することができるイワシですが、その中でもウルメイワシは干物として日本の食卓を支えてくれています。
干物で食べることが多い魚ですが、沿岸部に足を運んだ際には、ぜひ刺身で食べてみてくださいね。