・青柳(バカガイ)の特徴や生態
・青柳(バカガイ)の旬の時期
・青柳(バカガイ)の価格と相場
今回の記事ではこのようなことがわかります。
「バカガイ」と聞くと、残念な名前だという印象を持ちますよね。
ですがこの貝、実は高級食材なんです。
こんなおかしな名前をつけられるのだからどんな特徴があるんだろう?と疑問に思われた方もいるでしょう。
このバカガイは実はお寿司屋さんでよく見る「青柳貝」とも呼ばれる貝です。
バカガイと呼ばれるようになった経緯は複数の説があるのです。
目次
青柳(バカガイ)の生態と特徴
貝殻が薄くて割れやすい。
潮干狩りで採ったら、貝が割れて悲惨なことにならないよう持ち帰る時は青柳(バカガイ)を一番上に入れましょう。
足の部分が発達している。
砂に潜るのが速く、足でジャンプして敵から逃げることもできます。
いつも貝を開いたまま足を出していている。
開いた貝から足を出すところが「口を開けて舌を出す馬鹿者のようだから」や、「そのまま陸に打ち上げられて鳥に食べられてしまう様が馬鹿みたいだから」というのが、青柳(バカガイ)という名前の由来のひとつだと言われています。
大きさや色がハマグリに似ている。
殻の長さが8センチほどで、貝殻の色は外側が薄褐色で内側が白色、と見た目がハマグリにそっくり。
慣れると見分けられるようになりますが、間違えてしまう人もいるので「馬鹿がハマグリと間違える貝だから」青柳(バカガイ)と呼ばれるようになった、という説もあります。
場所を素早く変える。
青柳(バカガイ)はよく発達した足のお陰で移動速度が速く、浜の状況に応じて素早く場所を変えます。
「場所を素早く変えるから場変え貝と呼ばれ、それが青柳(バカガイ)と呼ばれるようになった」という説もあります。
状況に応じて素早く移動するのは生存に有利なのに、他の特徴のせいもあってこんなふざけた名前をつけられるなんて世の中理不尽ですよね。
青柳(バカガイ)の生息場所・産地はどこ?
日本、ベトナム、台湾、中国南部、朝鮮南部などに生息しており、日本国内では北海道から東京湾、伊勢湾、瀬戸内海などにいます。
青柳(バカガイ)は別名「アオヤギ(青柳)」と言われていますが、これは有名な産地である千葉県市原市の当時の地名から取って名付けたものです。
寿司ネタとしてはこちらの名前の方が馴染み深いでしょうが、これは江戸時代の寿司職人が「品書きに青柳(バカガイ)という名前を使いたくなかったから」という理由でこう名付けたと言われています。
確かに、こんなカッコ悪い名前を品書きに書くのは気が引けますよね。
青柳(バカガイ)の旬の時期・季節はいつ?
青柳(バカガイ)の旬は2~4月で、潮干狩りではアサリよりたくさん採れることもあるほどよく見られます。
ただ、砂抜きが面倒くさいために採られてもリリースされることが多い可哀想な貝でもあります。
青柳(バカガイ)は水中で生活するため酸欠に弱く、アサリのように塩水につけてもすぐ死んでしまうため、砂抜きは難しいと言われています。
一晩暗いところで塩水につけるのではなく、茹でて剥き身にしてからよくもんで砂を落とすという工程を行わないといけません。
こんな面倒くさい手順を踏まないと食べられないのですから、リリースされてしまうのも無理もありません。
せっかく潮干狩りのシーズンと旬がかぶっていて、調理すると高級食材になるのに勿体ないですね。
青柳(バカガイ)の販売価格・値段の相場は?
2018年9月の築地市場では1キロ当たり1,816円が相場となっています。
最近の傾向を見ると、9~11月にかけて値上がりし11月にピークとなります。
その後、冬から春にかけて少しずつ値段が下がり6月に最も安いです。
ピークの11月は最も安い6月より5割ほど高くなるため、安く食べたいなら夏がおすすめです。
舌切は1キロ当たり1500~2000円程度で、小柱は100グラム1000円程度です。
小柱の身が崩れたものは半額以下で取引されます。
身は剥き身の状態で売られていることが多く、殼つきは剥き身より安いですが入荷が少ないため、安く食べたくても売り切れてしまうことがよくあります。
青柳(バカガイ)のまとめ
- 青柳(バカガイ)はいつも貝を開いたまま、発達した足をべろーんと出している。
- 見た目がハマグリに似ていて、貝が割れやすいため潮干狩りの際はハマグリと間違えないことと、持ち帰る時に貝殻を割らないように気を付けること。
- 青柳(バカガイ)の相場は最近のもので1キロ約1800円。
- 青柳(バカガイ)の旬は初春。
- 夏に最も安くなり、秋に値上がりして11月に値段のピークを迎え、冬~春にかけて安くなっていく。
こんな間抜けな名前の青柳(バカガイ)ですが、江戸前の寿司ネタとしては定番です。
もし寿司屋で青柳(バカガイ)を見かけたら、こんな可哀想な名前をつけられていることを思い出してしまいそうですね。