あわび(鮑)は、高級食材の貝類で、普段の生活で気軽に食べるものというより、お祝いや会食など特別な時に食べるものとなっています。
日本で主に食用として食べられているあわび(鮑)は「クロアワビ)」「エゾアワビ)」「マダカアワビ」「メガイアワビ」の4つです。
刺身や酒蒸し、ステーキなどいろいろな調理法で楽しまれています。
今回は、この「あわび(鮑)」の生態や特徴、旬についてまとめてみました。
目次
あわび(鮑)の生態と特徴
あわび(鮑)は、ミミガイ科の大型巻貝になります。
メスは生殖腺が緑色で、オスは白っぽい色をしています。
殻の形は、種類によって多少異なりますが、多くは卵型のお玉を伏せたような形をしているので、見た目には巻貝に見えません。
一見、片方の殻が無くなった二枚貝のようにも見えることから「磯のあわび(鮑)の片思い」といった表現をされることもあります。
しかし、よく見てみると殻の端の方に、ちゃんと渦巻きがあります。
成長した殻は長径5㎝~20㎝、短径3㎝~17㎝ほどになります。
背面には、4、5個の穴があり、この穴から、呼吸時に吸い込んだ水や排泄物、卵や精子を放出しています。
この穴は、殻が大きくなるのに従って、新しいものが作られ、古いものはふさがっていくという仕組みになっています。
殻の内側に体があり、殻の浅くなっている方に顔があります。
顔には目、口、触角があります。
脚は、岩礁に張り付くために吸盤状になっています。
主な餌は、コンブやワカメ、アラメといった海藻類になります。
あわび(鮑)の産卵は、海水温が20℃になると始まります。
そのため、温かい海に生息しているクロあわび(鮑)やメガイあわび(鮑)などは水温が20℃に下がってくる晩秋~冬にかけて産卵し、寒い海に生息するエゾあわび(鮑)は水温が20℃に上がってくる夏~秋が産卵期になります。
あわび(鮑)の生息場所・産地はどこ?
日本近海のあわび(鮑)の生息場所は、北海道南部から九州の日本海沿岸や太平洋沿岸、瀬戸内海、及び朝鮮半島から中国の北部あたりまでになります。
その他の地域では、北アメリカ西岸やオーストラリア、アフリカの南部にも生息しています。
生息深度については、種類によって違いがありますが、海岸の水深50mのあたりまでの岩礁に生息していることが多いです。
あわび(鮑)の旬の時期・季節はいつ
あわび(鮑)は、種類や生息場所によって旬に違いがあります。
寒い海に生息しているエゾあわび(鮑)は、11月から1月が旬になります。
エゾあわび(鮑)は、東北や北海道で漁獲され、特に多く漁獲している岩手県では、乱獲防止のために11月と12月しか漁を行っていないそうです。
一方、温かい海に生息しているクロあわび(鮑)やメガイあわび(鮑)などは、関東より南の海で漁獲されています。
産卵期が秋から冬にかけてが産卵期になりますので、6月~9月の時期、その中でも特に7月、8月の夏の時期が旬になっています。
また、同じ夏の時期に旬を迎える貝類に、あわび(鮑)にそっくりな「トコブシ」があります。
一目見ただけでは見間違うほど似ているので、間違えて購入しないように注意が必要です。
あわび(鮑)の販売価格・値段の相場は?養殖あわびは安い?
天然あわびの値段・販売価格
あわび(鮑)は、成長するのに時間がかかることから、もともと稀少で高級な食材となっています。
さらに、近年では、乱獲によって漁獲量が減ってきてしまっているので、より高価になってきています。
例えば、時期にもよりますが、10㎝程度の三陸産の天然のエゾあわび(鮑)や瀬戸内愛媛産の天然クロあわび(鮑)の小売り価格は、最低でも1個3000円~とかなりの高値となっています。
養殖あわびの値段・販売価格
養殖のあわび(鮑)は、天然のものに比べて少し安く購入することができ、1個あたり1000円を切るものもあります。
韓国産あわびの値段・販売価格
また、最近では、海外からの輸入量が増えていきており、主に韓国産のものが多くなっています。
韓国産の場合は、安いものだと1個あたり600円程度で購入できるものもあります。
あわび(鮑)のまとめ
- あわび(鮑)は、卵型のお玉を伏せたような形をした大型の巻貝です。
- あわび(鮑)の旬は種類によって異なり、夏に旬を迎えるものもあれば冬に旬を迎えるものもあります。
- あわび(鮑)の小売り価格は、時期にもよりますが天然の物だと1個あたり3000円~と高くなっています。
あわび(鮑)は、とても高級で、世界の色々な国で薬膳として出されるほど優れた効果や効能を持つ食材です。
値段が高いため、気軽に楽しむとはいかないかもしれませんが、夏と冬に、ぜひ色々な食べ方で旬の味を堪能してください。