ボタン海老と聞くと高級なお店でお寿司やお刺身など様々な調理にも使われています。提供される貴重なものというイメージが強いのではないでしょうか。
味がよく,人気の高いボタン海老ですが,近年漁獲量が減少し,市場に出回っているもののほとんどは実はトヤマエビという近縁種なのです。
ここでは多くの方から愛されるボタン海老(トヤマエビ)の生態や特徴,旬の時期や値段の相場などをご紹介します。
ボタン海老(トヤマエビ)の生態と特徴
このエビは水深100~400メートル辺りに生息している品種で、小型甲殻類や貝類、クモヒトデなどを餌としています。
体長は13~20センチ程で、時には20センチを超える大きなボタン海老(トヤマエビ)もいます。
15センチを超える大型のボタン海老(トヤマエビ)は全てメスとなります。
体色は濃い橙色で鮮度が落ちると徐々に黄色っぽい色になります。
その為、赤ければ赤いほど鮮度が高いとされていて、高額で取引されるケースもあります。ボタン海老(トヤマエビ)の特徴は第1~5腹節の側面辺りに2個の赤い斑紋がある点です。
この斑紋が牡丹の花びらを散らしたように見えることが名前の由来です。
もう一説には体色の鮮やかさが牡丹の様だとも言われています。ボタン海老(トヤマエビ)は成長にするにつれて性転換をする事もあり、なぜ性転換をするのかははっきりとわかっていません。
産まれてから4年間程度は全てオスで、それ以降は全てメスになり産卵します。卵を抱えている時期は1年近くとかなり長いのも特徴の一つです。
卵は大型で捕食のターゲットになりやすく、繁殖力が弱いエビとも言われています。ボタン海老(トヤマエビ)の8年程度で、産卵したエビを底引き網漁で捕獲します。
ボタン海老(トヤマエビ)は傷みやすいので生きたまま持ち帰る為に多くの工夫がされています。
生で食べるエビの仲間としては高価なものの1つで,高級料理店やお寿司屋さんで提供されることが多いです。
脂肪分が少なく,高タンパクな食材であり,
また,うまみ成分のグルタミン酸も多く含まれており,甘みを感じさせてくれるアミノ酸とともに,エビ特有のうまみを作り出しています。
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ボタン海老(トヤマエビ)の生息場所
海水生で,北海道南部から土佐湾にかけて生息している日本固有種です。
本種のボタン海老は太平洋側にのみ生息しており,日本海側には生息していません。
水深300~500mあたりに生息し,南に行くほどその生息域は深くなるといわれています。
一方トヤマエビは日本海全域からベーリング海にかけて生息しており,水深100~400mのあたりに生息しています。
ボタン海老(トヤマエビ)の旬の時期・季節はいつ
生息域が広く,抱卵期が長く,さらに地域によって漁獲時期が異なることもあり,旬の時期がはっきりしないといわれています。
そのため基本的には1年中市場に出回っていますが,一般的な食べ頃は産卵が終わった冬から春にかけてといわれています。(冬から春にかけて。)
地域別で見てみると,北陸ではズワイガニ禁漁期に漁獲するため,3月から夏ごろにかけてが旬といわれています。
函館では春には雄のボタン海老,秋には産卵前の子持ちボタン海老などが旬をむかえます。
ボタン海老は傷みやすいとされていますが,近年は冷凍や輸送の技術が発展し,年間を通じておいしく食べられるようになっています。
・旬のボタン海老(トヤマエビ)は甘くてぷりぷり
旬のボタン海老(トヤマエビ)は甘味に似た旨みが濃く、ぷりぷりとした触感が魅力的です。
鮮度が良ければミソもそのまま頂けるのが特徴です。
ミソは濃厚ながらさっぱりとした上品な味で、鍋料理に使われる事もあります。
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ボタン海老(トヤマエビ)の販売価格・値段の相場は?
牡丹の様に鮮やかな色、そして卵が大型で繁殖力の弱いボタン海老は、とても貴重な食材です。漁獲量が少なく、市場への流通も稀です。
多くのボタン海老が高級料亭等に降ろされるので、スーパーなどで見かける事はほとんどありません。
そのため現在市場に出回っているボタン海老のほとんどが近縁種です。
その種類は何種類かありますが,一番多いのが主に富山湾などで獲れるトヤマエビです。
その他には,カナダやアラスカから冷凍で輸入されてくるカナダボタン(スポット)などがあります。
値段は1キロ3000円ほどのものもあれば,同じ量で1万円ほどするものもあり,差が大きいようです。
小売価格としては,1キロだいたい4000円~8000円ほどのものが多いようです。
ボタン海老(トヤマエビ)のまとめ
- 雄から雌に性転換する特徴を持ち,寿命は8年ほど。
- ボタン海老(トヤマエビ)の旬は産卵が終わった冬から春にかけて。
- 値段の相場は4000円~8000円ほどである。
ボタン海老(トヤマエビ)は国内なら、福井県以北の日本海側や北海道以北に生息している。海外の場合は主にベーリング海に生息し南に行くほど生息している水深が深い。
寿命は8年程度で、4年を経過した辺りから性転換しそれ以降はメスとして抱卵する。
繁殖力が弱く、美味である事から高値で取引され、スーパーなどに出回る事は少なく料亭などで頂く事が出来る。
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