ごぼう(牛蒡)は、和食には欠かせない根菜です。
日本では古くから食用とされていますが、ヨーロッパなどでは薬用として利用されているとか。
含まれる栄養素や栽培方法といった基礎知識、おいしい食べ方など活用法をご紹介します。
ごぼうに含まれる栄養と効果について
食物繊維といえばごぼう。
水溶性と不溶性、両方の食物繊維を豊富に含んでいます。
「便秘予防にはごぼう」といわれる理由も食物繊維。
その量は可食部100g中5.7gと野菜のなかでも抜群です。
さらに「リグニン」という不溶性食物繊維は腸内の不要物を排出し、
病気を予防する効果があるのではないかと注目を集めています。
ほかにはマグネシウム、カリウム、カルシウムといったミネラルも豊富。
また、アミノ酸含有量の多さもごぼうの特徴です。
ごぼうの栽培方法
ごぼうの栽培には水はけがよい畑で栽培します。
種まきから収穫までは「長根種」で150日、「太短根種」で100日、「短根種」で75日が目安。たっぷりの肥料が必要です。
土の中深くに成長していくため、収穫はスコップなどで土を掘り下げ、
そっと引き抜きます。
連作すると病虫害が起こるため、同じ畑を使うなら3年は間をあける必要があるとか。
日本国内での栽培は、青森を筆頭に茨城、北海道と続きます。
この3県で全体の50%を占めています。関東では長め、関西では短めのごぼうが主流。
これは、土地の水はけの違いからきているそう。
水はけのよい関東では、長いごぼうを栽培できます。
ごぼうの収穫時期
地域や品種によって収穫時期、旬が違います。
関東で多くみられる「滝川ごぼう」は、晩秋から冬にかけてが収穫期。
お正月のお節料理などに用いられます。一方で初夏に収穫されるごぼうも。
こちらは「新ごぼう」と呼ばれ、皮の色が白っぽく、柔らかな食感が特徴です。
また、大阪八尾市の特産で葉や茎の部分を食べる「葉ごぼう」は1月からハウスものが出回り、3月ごろには露地ものが旬を迎え、4月ごろまで収穫期が続きます。
家庭菜園で育てやすい「短根種」は春から夏にかけて種を蒔き、夏から冬にかけて収穫。比較的収穫期間が長い野菜といえます。
ごぼうの食べ方・調理方法
ごぼうの基本的な調理方法
ごぼうはアクが強いため、切ったそばから水に放ってアクを抜きます。
軽く下茹でするのも効果的なアク抜き方法。このときに少量の酢を加えると、
色が黒っぽくなりません。また、ていねいに土を洗い流せば皮は剥かなくても大丈夫。
土を落とすときにタワシで軽くこすり、そのまま使えばごぼうの香りが強く感じられます。
王道の「きんぴらごぼう」
ごぼうといえば、きんぴらごぼうが超定番。包丁でごぼうを削る、
ササガキにすると表面積が大きくなり、味しみがよくなります。
ササガキのごぼうを水にさらしてから、ゴマ油で炒めます。
味付けはめんつゆが簡単。子どもがいる家庭なら、鷹の爪を加えずに食べるときに各自で七味を振ります。
きんぴらごぼうに千切りのキュウリを加え、マヨネーズで和えた「ごぼうサラダ」もおすすめです。
ごぼうの保存方法
泥付きのまま保存する場合は、新聞紙に包んで風通しのよい場所に保管します。
洗いごぼうなら袋に入れて野菜庫がベスト。
思い立ったらすぐ使える便利さには、冷凍保存がベストです。
しっかり洗って乱切り、輪切り、千切りなどにカットして水にさらしてから冷凍します。
冷凍用の保存袋に入れるのが簡単です。
もうひと手間かけ、カットしたごぼうを下茹でしてから冷凍すればスープや煮物、味噌汁に加えてすぐ食べられるので用途が広がります。
ごぼうのまとめ
- ・ごぼうは食物繊維が豊富なだけでなく、ミネラルも摂取できる。
- ・旬は初夏、秋~冬にかけての2回ある。
- ・関東では長いごぼう、関西では短いごぼうが主流。
- ・香りを生かすなら、皮はむかずに使う。
- ・水にさらす、下茹でをするといったアク抜きは欠かせない工程。
- ・下処理をしてから冷凍するとごぼうの使い道が広がる。
下処理の手間から敬遠されることもあるごぼうですが、ひと手間かければいろいろな料理に使えます。積極的に食べて食物繊維をたっぷり摂りたい野菜です。