- クエの特徴や生態
- クエの旬の時期
- クエの価格と相場
クエはスズキ目ハタ科の魚で九州地方ではアラ、四国地方ではアオナ等と呼ばれ天然のクエの減少から、とても貴重な魚と言えます。
又、最大では1.5mにも成長する見た目とは異なり、その味は美味で天然物のクエは高級魚としても扱われております。
今回はクエの特徴や生態、旬の季節やその市場価格等についてご紹介をしていきます。
クエの生態と特徴
クエの生態で最も特徴的なのが「雌性先塾:めすせいせんじゅく」と呼ばれるハタ科の魚特有の生態です。
クエは孵化した直後の稚魚は全て雌で、雌としての繁殖活動である産卵を終えるとその後は雄に性転換すると言う生態を持つ魚です。
その為、釣り等の好敵手になる大型のクエは基本的に全て雄のクエで、小型のクエの場合には雌と言う事になります。
又、クエは最大で1.5m、重さも50kgを超える物もおりますが、成長のスピードの遅い魚で、5年魚で50cm、10年魚で70cm、20年を超えると1mを超え最長で40年も生きる個体もおります。
更にクエの食性は、その大きな魚体を維持する為、肉食性で魚やイカ等を大きな口で丸のみにして食べます。
捕食活動の中心は夜間で、基本的には海底近くをゆっくりと泳ぎまわりながら餌となる魚やイカ等を探します。
更に、クエは自分の住処から余り離れる事が無く、縄張り意識の強い魚で有ると言えます。
又、クエにはその大きな身体を掃除してくれる仲間はがおり、特にホンソメワケベラはクエの身体の表面や大きな口の中の食べカスなどを綺麗に掃除してくれる大切な仲間です。
そんなクエの身体の特徴としては、薄い褐色の魚体に6本の濃い褐色のラインが有り、同じ仲間のマタハとの見分けをする事が出来ます。
但し、大型のクエになる程このラインの様な模様が薄くなって来ます。
クエの生息場所
クエの生息場所は、外洋に面した水深50m前後の岩場やサンゴ礁帯となります。
基本的には日中は岩場の洞窟や岩陰等に潜んでおり、夜になると餌を求めて洞窟等から出て来ます。
日本では九州や四国の沿岸部や紀伊半島の沿岸部の磯周りに見られますが、東シナ海や南シナ海の沿岸部の磯でも見られます。
クエの旬の時期・季節はいつ
クエは、年間を通して漁獲が有る事から、特に旬と呼べる明確な季節は有りません。
但し、クエの産卵期が夏場である事から、この産卵期を控えた春以降クエがより多くの餌を食べる為、脂も乗り旬の季節と言えます。
一方では夏場の産卵を終えたクエの方が美味しいと言う声も多く聞かれ、これは産卵を終えたクエが体力を回復させる為より多くの餌を捕食する為で有ると言われております。
更に、クエの旬の季節は冬場の寒い季節との意見も多く有りますが、これはクエが冬場の鍋料理に使われる事が多い為と考えられます。
これらの事からクエには明確な旬の季節が有りませんが、年間を通して美味しく食べる事が出来る魚で有ると言えます。
クエの販売価格・値段の相場は?
クエは、漁獲の絶対数が少ない事から、特に天然のクエは超高級魚とも言える価格で取引されております。
天然物のクエの場合、1キロ当たりの取引価格は8,000円から10,000円とされております。
一方、養殖物や輸入物のクエの場合には、1キロ当たり3,000円前後で取引されております。
ただ、この1キロ当たり3,000円は、他の魚と比べても相当の高級魚の部類に入ります。
この1キロ当たり10,000円前後のクエですが、実際の釣り等で30kgや40kgサイズが釣れる場合が有りますが、その様なクエの場合には1匹で30万円から40万円もの値段が付く事も有ります。
7. クエのまとめ
クエの生態や特徴、クエの旬の時期、クエの価格と相場について調べて見ましたが、クエその物の個体数の減少から現在では大変貴重な魚で有ると言えます。
ただ、特に磯釣りファンにとっては憧れの魚である事から、クエだけを追って磯に通うファンもまだまだ多くおります。
又、少しずつではありますがクエの養殖も可能になってきておりますので、その技術を活かし天然のクエが増えて行く事を望んでおります。